元文科事務次官の前川喜平さんが、八重山教科書問題について竹富町に対する「是正要求指示は理不尽。正当な根拠はないと思っていた」と述べた。時の政権内部にいて、実務を指揮担当した人の発言は重い▼「3市町とも責任があるべきで、安倍政権になってから竹富町だけ違法と言い始めた」とも。前川さんは教科書無償措置法改正を逆手にとり、結果として離脱で「違法状態」を解消させ、不当な政治介入を収束させた▼いったい石垣市は何がしたかったんだろう。「命どぅ宝」の沖縄に、右寄り教科書でアリの一穴を開けたかっただけか▼福島第一原発の事故を受けて発足した原発規制委員会の初代委員長・田中俊一さん。退任後に被災地福島県飯館村に移住した。避難指示は解除されたが戻った村民は1割。今も大量の汚染土が置かれている。原発推進側の責任、生き方として筋を通したと評されている▼前川さんは口封じのためか官邸から出会い系バー通いを暴露され、田中さんも反原発側から批判が絶えない。2人には何と言われようとぶれず動じない強さと、第一人者としての自負、信念をみる。気骨とはこういうことを言うのだろう▼おかしなことをおかしいと言えない社会には未来がない。私たちは今、岐路に立っている。この島々をどうしたい?(慶田盛伸)
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