田舎ではお知らせや行事音楽を公民館の屋上拡声器で放送することが多い。遠くは聞こえず近隣住民は大音量に耐えている。短時間の放送であっても早朝などは迷惑と訴える住民も▼昔は親子ラジオが広報を担っていた。親子ラジオとは大きな出力を持つ親ラジオ局と家庭に貸与した小型の音響箱を有線で結んだ月ぎめラジオ放送のこと▼登野城に文化放送社、新川(後に新栄町へ移転)に中央放送社があった。昭和40年頃までは、大浜や宮良にもあった。高く長く張ったアンテナで沖縄本島の放送局の電波を中継受信し流していた▼お知らせはラジオ番組を中断して行っていた。夜は村のうた自慢の民謡、歌謡の録音を流した。教育勅語や軍人勅諭を唱える人も。親子ラジオはその後、家庭にトランジスタラジオなどが普及して役目を終えた▼そこから地域内のお知らせは大音量の公民館の拡声器から放送されるようになったが、近隣所帯は我慢の歴史の始まりでもあった。近年は飛行機の飛来音に防災無線の拡声器も加わり公共大音量は増える一方▼筆者の住む宮良地域では屋外放送機器が雷被害で壊れたのを機に地域内お知らせは、掲示板や防災無線を利用していて、音楽を伴う放送をやめている。新公民館は学校も近く屋外放送をどうするのか思案中。(仲間清隆)
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