高齢化社会の進展に伴い寝たきりや認知症になるお年寄りが増え、介護に携わる人のニーズがますます重要になっている▼一方で夜勤を含む過酷な労働条件、仕事量に見合った賃金がもらえないといった理由などから職場を去る人が後を絶たない。介護現場の崩壊が懸念される中、西表島に住む女性の方から先日、20年余務めた離島の介護職場に関する声(本紙8日付)が寄せられた▼全国的に見ても介護の現場は大変と聞いてはいたが、それが離島ともなるとなおさら過酷な現場である実態を知ることができた。現状打破に向け、離島の介護施設を「孤島」にしてはならないという女性の訴えは力強い▼女性が勤めた施設では、職員みんなが入所者を自分の親や祖父母であるような気持ちで接し介護をしていたという。これこそがお年寄りの尊厳を大切にする島の良さであり、その温かさに訪れる人は心を癒やされる▼生活の利便性のみなどを追求する時代を逆手にとり、島の特性を有利性とし生き心地のよい介護長寿の地域づくりはできないものだろうか。それには介護従事者の処遇改善は避けては通れない喫緊の課題でもある▼過酷と言われる国内の介護現場。八重山では、介護職が「感謝、感動、感激」の3K職場であると評価される先進地になることを期待したい。(鬚川修)
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