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Channel: 八重山毎日新聞社
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石垣で津波防災を学ぶ 世界の高校生

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かつて八重山を襲った「明和の大津波」や市行政の防災対策に理解を深める世界各国の高校生ら=6日午前、石垣市民会館中ホール

 5日の国際デー「世界津波の日」に伴い7、8日に沖縄コンベンションセンターで開催される啓発イベント「『世界津波の日』2017 高校生島サミットin沖縄」(県など主催)を前に、世界25カ国の高校生でつくる若き津波防災大使の一行が6日、石垣島スタディーツアーを実施した。生徒らは市内各地を視察し、1771(明和8)年4月に八重山を襲った「明和の大津波」や市行政の防災への取り組みに知見を広げるとともに、地元高校生との交流を楽しんだ。

 同ツアーは日本の自然災害の歴史と対策を学び、今後の課題や自国での展開などの議論を交わすことで、各国共通の課題である津波・地震被害の最小化に向けた次世代のリーダー育成を目的とするもの。

 島しょ国や沿岸災害被災国を含む計25カ国の生徒ら174人が宮古島と石垣島の2カ所に分かれ、現地を視察した。

 6日午前、市民会館中ホールで市防災危機管理室による歓迎会と防災レクチャーが開かれ、大濵武室長が市の防災対策を紹介。

 大濵室長は「津波から身を守る最善の方法は早期避難以外にない」と強調し、地域の人々を災害から守るリーダーになってほしいと期待を寄せた。

 市教委文化財課の島袋綾野さんは明和の大津波を解説し、「最大遡上(そじょう)高約30㍍にもかかわらず、かつては85㍍という説が流布された。津波の恐ろしさを伝える意味もあったかもしれないが、それでは逃げられないと思う人々も出てくる。(被害を減らすのためにも)正確な情報を発信する努力をしてほしい」と訴えた。

 市防災作文コンクールで最優秀賞に輝いた平良由香子さん(石垣中3年)による英語での発表もあった。

 一行は講演終了後、バンナ公園展望台から明和の大津波の襲来方向や遡上(そじょう)高を確認したほか、明和の大津波慰霊之塔への献花、大浜の津波大石を通して津波の脅威を体感。3カ国語で流れる避難誘導放送も視聴した。


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