Quantcast
Channel: 八重山毎日新聞社
Viewing all articles
Browse latest Browse all 17329

素足である。36本の刀を、やいばを…

$
0
0

 素足である。36本の刀を、やいばを上向きにセットした「刀橋」の上を、神像を抱えた信徒が一歩一歩進んでいく▼台北近郊の淡水にある淡水沙崙保安宮という廟が旧1月5日に行う伝統的なもので、ことしは1日に行われた。淡水沙崙保安宮は清水祖師という宋代の高僧が主神。この行事は清水祖師の誕生日の前日に行うと決まっている▼刀橋の前後には、炭火で熱した場所を歩く「過火」と、上向きに固定したくぎを踏んで歩く「過釘橋」もある。はらはらさせられる儀式だが、会場は混雑し、気をもんでいる余裕などないほどだ▼信徒たちが素足で歩く刀とくぎにはお札が張ってあり、儀式のあとにこれをはがして持ち帰ると御利益があると信じられている。儀式を見守る人たちが押し合いへし合いしていた理由のひとつには、お札を手に入れようという人たちが場所取りをしていたという事情がある▼行事の会場には屋台があり、腹ごしらえをする人で席は埋まった。会場に顔を出し、子どもに綿菓子を買ってやってからメーンイベントは見ずに帰っていった家族もいた。信仰の形はさまざまにある▼伝統的な習わしに向かって人々が一斉に行動を起こすという点では、島々の伝統行事も意外と似ているのだと気付く。八重山と台湾の近さと遠さを感じた。(松田良孝)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 17329

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>