先日、誘っていただき、沖釣りにでかけた。サザンゲートブリッジを初めて海面から見上げ、感慨深いものがあった。二十数年の時の流れである▼グルクンは次々あがる。梅雨とあって、時折驟雨(しゅうう)が来る。雨にぬれそぼっても、昼時を過ぎても誰もさおを置こうとせず、黙々と釣り続ける▼アギヤー組合が追い込み漁を中止してから長い年月。資源量は豊かである。サビキの6本の針に5匹かかることも。実に楽しく、それなりに釣らせてもらった▼船の性能や設備の進化には目をみはるものがある。自動操縦の最新鋭船で、GPS情報でどこまでも一直線に進んでいく。魚群探知機は当然のこと、船室にはクーラーがつき、トイレだって整備されている。これなら女性も遠慮することはない。誰だってチャレンジしやすくなるだろう▼同じ観光メニューなら物騒なシャークハントプログラムより、グルクン釣り体験はいかが。安心安全、達成感も大きい。漁協で買い取り、おいしい鮮魚流通を期待する市民に提供してはどうか。八方丸く収まる▼明日8日はユッカヌヒー。海人の誇りハーリーである。両手の指を組み合わせ、かいさばきをまねて「はーりーくい」と唱えて遊んだ昭和の日。自然の豊じょうを、豊かな海の恵みを乞い願うのは、今も昔も変わらず。(慶田盛伸)
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