家族旅行や美術品代、娘の服代も政治資金で浮かせる。どうみても政治活動とは関係のなさそうな費用の数々。舛添要一・東京都知事の政治資金私的流用疑惑が止まらない▼さらに疑惑に拍車をかけたのが20日の記者会見の対応だろう。疑惑についての具体的な説明はなく「第三者の公正な目で調査してもらう」を連発。繰り返し頭を下げ続けるだけで自信の言葉での説明責任を果たさない政治家の姿に、多くの国民が不快感を覚えたのではないだろうか▼東京都といえば2012年12月に当選した猪瀬直樹前知事がたった1年で「政治とカネ」の問題で辞任。空席を埋める選挙で選ばれたのが舛添知事だった。朝のゴミ出しなど庶民目線の姿勢を強調する姿がテレビに映し出され、「クリーンなイメージ」に期待した都民も多かったのではないか▼それ故に、またもや日本の首都東京のトップともあろう政治家による「せこい」と言われる「政治とカネ」をめぐる疑惑である▼政治資金の使途をめぐる「公私混同」の批判を受けて、さすがに都知事選で舛添氏を推薦した自民、公明の幹部からも批判や苦言が相次いでいる▼6月の県議選、7月は参院選がある。地域の政治家の収支報告書は大丈夫か。パフォーマンスに惑わされることなく個人の資質をみることも大切だろう。(鬚川修)
↧