去る12日は日米が米軍普天間飛行場の返還に合意して20年目だった。しかし赤ん坊が成人になるほどの歳月を経ても普天間は1㍉も動かず、「辺野古移設が解決策」と固執する安倍政権に大多数の県民からあらためて怒りが噴出した▼20年といえば八重山経済を活性化させている南ぬ島石垣空港も、建設場所をめぐり八重山の歴史を揺るがすほど賛否が激しく対立したが、20年の節目が大きな転機になった▼サンゴ保護か、新空港建設かで警察官らと衝突もあったが、20年の節目を機に「サンゴも守り、新空港も造るんだ」と郡民が心一つに結束。計画から30年余を経た3年前の2013年春、ようやく開港にこぎつけたのだ▼しかし普天間は全く解決の兆しは見られない。その基地問題の正当性は政府と翁長知事のどちらにあるのか。県外移設への努力も全くないまま、差別的に沖縄にだけ基地を押し付ける政府にそれはない▼戦前の歴史から基地問題をひもとき、日本の安全保障は全国民で分かち合うべきだと訴える翁長知事側にあるのは明白だ▼基地問題は翁長知事時代の今、解決できないと国の沖縄差別はさらに続く。県民が利害を超え知事を後押ししたい。新石垣空港も郡民の対立で建設できていなかったら、八重山経済はどうなっていたか。すべての関係者に感謝だ。(上地義男)
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