昨年から続く天候不順が郡内の農業に影を落としている。石垣市の基幹産業のサトウキビは、雨でハーベスターの稼働が鈍く、当初、3月30日まで予定していた操業が5月初旬までずれ込みそうだ▼それと併せ、品質取引で使用される甘しゃ糖度は3日時点で12.2度と、前年実績の約14.5度を2.3度下回る過去最悪の低糖度。今後、糖度の上昇がなければ農家手取り額が前年実績から1㌧当たり2000円以上下回りそうだ▼この状況を受け、石垣島さとうきび生産組合は1日、市に対し、ことしの窮状を訴え、低糖度への支援と、天候に左右されずに機械刈りができる小型ハーベスターの導入を要請。市は新植で支援を行う方向性を示した。天候は人の力ではどうすることもできないだけに、再生産に向けた農家支援は必要不可欠だろう▼キビのほかにも収穫が始まった葉タバコは葉が小ぶり。パイナップルも小玉傾向との話しが聞こえる▼開花時期が通常より1カ月遅れているマンゴーは、現在、開花の最盛期。今後2週間ほどで着果が判断できそうだが、着果率が悪ければ大きな打撃だ▼お隣の宮古では、収穫量が平年の4割程度になるとの恐れが示され、恒例の「マンゴーまつり」を見送るという。八重山でも似たような状態との見方もあり、心配だ。(下野宏一)
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