石垣市が地方創生事業の一環で実施している「3935(サンキューサンゴ)プロジェクト」(特定非営利活動法人観光事業活動研究会、八重山漁協共催)は今月中に南ぬ浜町前の海域など石垣島周辺で5000本のサンゴ移植を終える。21日午後、南ぬ浜町の事業所で苗づくり作業を報道関係者に公開した。移植は、ステンレス製のワイヤで人工基盤に固定した養殖サンゴを水深5㍍ほどの地点に設置して行われている。
同プロジェクトはサンゴ保全活動から新たな観光事業を創出するのが目的。国の地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)を活用している。
サンゴの養殖・移植を、観光客や小学生などを対象にした環境教育体験プログラムとして実施。本年度は同交付金約4900万円を投じ、15年度は100人以上、16年度は500人以上の参加を見込む。
移植に使う苗は八重山漁協観賞用漁業部会サンゴ養殖研究班が養殖した苗を提供しており、同班の野里盛一さん(58)=崎枝=が技術を指導。移植する海域も同班の協力を得て選定している。
NPO法人観光事業活動研究会の後藤勝之専務は「海を仕事の場、生活の場としている観光事業者と漁業者が一緒に海の環境を良くしていくことができればと考えている。3年後には(移植した)サンゴの産卵ツアーなども行えるようになる」と期待する。