Quantcast
Channel: 八重山毎日新聞社
Viewing all articles
Browse latest Browse all 16954

国内で宮式霊柩車が走らなくなって久しい。…

$
0
0

 国内で宮式霊柩車が走らなくなって久しい。石垣市の新式霊柩車も普通の大型乗用車にしか見えず、これが霊柩車だと説明してくれない限り分からない。本土では黒塗りの他シルバーも見かける▼宮式が無くなったのは霊柩車が近くを通るとお年寄りが、まもなく自分の番だと気落ちするので止めてと訴えてきたからだと聞く。タクシーのように毎日走り回るのではないから過剰反応では▼最後の旅立ちゆえ、はなむけに雅な車に乗せてやってもいいのではないかと宮式の再登場を望む声もある。しかし多勢に無勢で復活は難しいという▼島の告別式も、婦人会、公民館が生活改善を持ち出して簡素化された。香典の目安を決めたり、お返しの廃止、七日法要のお茶のみの接待など実効を上げてきたものは多い▼しかし、お返しが無くなると葬儀屋さんも厳しいので葬祭場間では花による祭壇の演出、思い出の放映、愛用品の陳列、熟練司会者による厳粛さの演出などサービス競争が。喪家の申し出による音楽葬もあり先日の出棺では友人たちがそれぞれ故人の安息を祈りオオゴマダラを放し参列者の涙を誘った▼ゆったり舞い上がるオオゴマダラは平和の島の象徴そのもの。一方、やがて島に現れるかもしれぬ迷彩服は島にそぐわないのではと合掌しながら思った。(仲間清隆)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 16954

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>