中山義隆石垣市長は2月29日に開会した市議会(知念辰憲議長)3月定例会で2016年度施政方針演説を行った。3月中に策定する市地域創生総合戦略に基づき、都市圏から石垣島への移住・定住を推進するための専門部署を新たに設けて地方創生の取り組みを加速させる方針を表明。サンゴの養殖・移植やサメ駆除などの自然環境保護や漁業保全の活動を新たな観光プログラムとして創出する事業にも取り組む考えを示した。
庁舎移転については「旧空港跡地での新庁舎の設計を行うとともに、現庁舎跡地の有効利用について庁内で検討体制を立ち上げ、美崎町再開発の取り組みとの連携を図る」と述べた。
旧空港跡地については「土地区画整理事業の導入に向けて地権者との合意形成を図りながら土地利用計画を進める」としており、旧空港跡地の新八重山病院東側を南北に通る幹線道路の整備に着手する考え。
陸上自衛隊配備計画については「防衛省から必要な情報の提供を求めつつ、市民にその情報をオープンにしながら議論を進めたい」と従来通りの考えを示した。
観光資源の一つとして「星空」を取り上げ「国内初の星空保護区認定に向け、光害(ひかりがい)の対策や啓発活動に取り組み、星空に対する世界基準の評価獲得を目指す」としている。
第1次産業の振興では「パイン加工施設の実証結果を基に農産物の新たな特産品開発を行う仕組みづくりを推進する」と述べた。緊急優良母牛推進事業では120頭を導入するとともに、100頭規模の肥育牛舎を建設する。
待機児童解消に向けて「16年度は新たに6カ所の民間保育所を整備し、17年度末における待機児童ゼロの実現を図る」とした。生活困窮者支援については就労支援に加え、生活困窮世帯・生活保護世帯の中学生を対象に無料学習支援を実施。介護サービス施設がなかった北部地区に小規模多機能型居宅介護事業所の整備を進める考えも示した。
市内では教員採用試験対策講座がなく、小中高校に勤務する臨時教職員は島外で受講せざるを得ないため、「新たに島内で教員採用試験対策講座を開設し、教員の育成を図る」と述べた。