平真小学校(松原範夫校長、児童651人)の図書館司書の西原多壬子さんが、学校図書館で年間を通して行っている図書に関する展示を、授業のなかで紹介する試みを行っている。昨年12月とことし1月にかけて行った人権展では、学級ごとに授業時間に図書館に足を運んでもらい、人権や命の大切さなどについて西原さん自身が授業を行った。西原さんは「展示することで児童も興味を持ち、どんどん借りていくようになった」と話す。
西原さんは、児童たちが手に取る本が小説などの文学に偏っている点に着目し、文学以外にも幅広いジャンルの本を読んでもらおうと、展示の内容を充実。「人権」以外にも、昨年は5月に復帰、6月に戦争と平和、10月に宇宙という具合にテーマを設けていろんな本を紹介した。
自ら教壇に立った人権の授業では、マハトマ・ガンジーやキング牧師など人権運動に尽力した人物や開発途上国の子どもたちの現状などを紹介し、「一人一人に人権があることを知り、自分もほかの人も大事にしてほしい」と呼びかけた。
授業を受けた5年生の新谷希乃風(ののか)さん(11)は「これだけ人権について深く学んだのは初めて。人権や命を大切にすることが大事だと思った」と感想。野田快君(同)は本の分類について「(本に対して)あまり興味がなかったが、いろんなジャンルを読んでみたいと思った」と語った。
1年3組の担任、森永優那教諭は「授業ではなかなか教えられないことを教えてもらい、子どもたちも多くのことを学んだと思う。たくさん資料もあり、助かっている」と話した。
西原さんは今後、学校教育や女性の権利などの展示も考えており、「さまざまな情報を発信していきたい」と意気込んでいる。