ことし、石垣島に寄港する国内外のクルーズ船は過去最多の145回に上り、来島客は24万6000人余りに上る見通しとなっていることが27日、船舶代理店の沖縄シップスエージェンシー石垣支店(松田新一郎支店長)への取材で分かった。松田支店長は「寄港回数は現時点の数字。天候などでキャンセルもある」とした上で「クルーズ船の寄港地として石垣へよい流れが来ている。岸壁が空いていれば積極的に寄港させたい」と話している。
スタークルーズ社の外航クルーズ船が石垣に寄港して18年目。市観光文化課によると、昨年のア号は石垣島に72回寄港、18万7193人を送客した。石垣での経済効果は約25億円と分析している。
同社は、那覇港岸壁の過密化で石垣島や宮古島への寄港需要が高まっているとみている。
県内では新たなクルーズ船の寄港地にとして本部と中城の港が計画されているが、松田支店長は「(2港と)比べて認知度やポテンシャルの高さは石垣が上」という。
一方、クルーズ社や代理店に対し、岸壁の空き状況や寄港日程など受け入れ調整を行う岸壁管理者(石垣市)のスムーズな対応を課題として指摘する。
クルーズ船で来島する外国人観光客についてタクシー乗務員の東江正浩さん(64)は「外航クルーズ船の乗客が利用したときの売り上げは高く、乗務員も恩恵を受けている。寄港回数の増加は業界も喜んでいる」と語る。
市観光文化課の大嵩久美子課長は「2年後には新バースが一部供用開始となるが、現在の港でリピーターを獲得できるようにしたい」と意欲をみせる。
松田支店長は「クルーズ会社は常に次の寄港地を求めている。行政もスピード感を持って対応してほしい。岸壁の調整ができれば寄港回数はさらに増えるだろう」と期待する。