がんを患い悩んでいる人は多い。治療の副作用で容貌が変化、人前に出ることを避けて暮らしている人もいる▼がんで本人ともども家族がつらい思いをしなければならない事例は発見が遅れ、手の施しようがないと診断された場合や以前に受けた別の手術のせいで適切な治療がかなわなくなった場合▼過日、沖縄県医師会の主催による重粒子線がん治療の講演会を聞いた。国産の先端がん治療法で、説明では難治がん、手術しにくいがん治療に効果が期待され国内の4カ所で稼働中だという。他のがん手術、治療と違い、術中の痛みがなく、がんだけを狙い、術後の副作用も少ないとPR▼沖縄から近い所では佐賀県にあり順番待ちの人気度。全国的に設置が進んでいないのは、装置がサッカー場ほどの面積で施工費も3百億円程かかり、そうそう誘致できないのが実情だという。しかも治療費が日本では先進医療に区分けされ、診察、検査、投薬、入院費は保険が適用されるが、肝心の重粒子線治療は、何と314万円(一律)の自己負担になるようだ▼わらにもすがりたい患者、家族にしてみれば、飛びつきたくなる話だが資料によれば局所制御率は、臨床治験例がまだ少なく完治は前立腺がんのみ▼いずれにしても、早期発見に勝るがん治療法なし。まめな健診を。(仲間清隆)
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