ひと昔前の話だが、ある交差点で物損事故を起こした。すぐに携帯電話で110番通報した。しかし動転していたため、事故現場を伝えるのに手間取った▼そのときまで、緊急通報を本島の県警本部が対応していることを知らず、場所を伝えるのに地元の人しか分からない「元の○×商店の前」と話したが、冷静になると、「よく通じた」と思った。司令室で電話を受けた人が八重山出身だったのか、勤務経験があったのかと思う▼先日、八重山を含む県内37市町村が、嘉手納町のニライ消防に県消防共同指令センターを設置し、119番通報の受理、指示を一括して行うというニュースがあった。救急無線をデジタル方式に移行する2016年5月までに実施する見通しらしい▼通信指令業務を共同で行うことで人員や財政の効率化が図られ、また最先端機器の導入で通報場所の特定が大きく向上するものとみられる。センターでは約35人が業務を行う▼心配なのは地理に詳しくない通信指令員が通報を受けたとき。例えば市浄水場の「上原」地区は、西表の「上原」と間違えかねない▼もちろん、このような状況を考慮して共同指令センターは、通報者とセンター、地元消防との3者通話も可能としているようだ。しかし運用に当たっては地元消防で通報内容を聞けたほうが良い(黒島安隆)
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