石垣市は、障がい児を乳幼児期から学齢期、就労に至るまで一貫して支援する「発達支援システム」の構築を進めている。昨年度は関係機関との検討会議や先進地視察、実態を把握するためのアンケートなどを実施。システム構築の方向性や人員体制、各機関を包括的につなぐための窓口、専門職の確保などについて協議してきた。
本年度は市健康福祉センターや障がい福祉課、市教育委員会学校指導課などで構成する関係課会議を設置し、情報交換などを行っている。
6月末に開いた第2回会議では、県が作成して全市町村に配布している相談支援ファイル「サポートノートえいぶる」などについて協議。乳幼児から学校卒業まで一貫した支援をするために作ったもので、市健康福祉センターの前底正之所長によると、「一目で障がい者が使用するものと分かってしまう」などの理由であまり活用されておらず、見直しに入っている。
それに代わる案として、市は母子手帳の空いているページに、気づいた点を記録できるシールを貼り付ける方法などを検討している。
会議では、市民向けのリーフレットや支援者向けの「子どもの発達支援つながりマニュアル」の作成についても報告。リーフレットには市の相談窓口の一覧などを記載しているほか、保護者の疑問に対応する窓口をイラスト付きで紹介。
マニュアルでは乳幼児期から青年期までの支援や、手当、給付、手帳、障がい福祉サービスなどについて説明しており、支援者の理解を助けるものとなっている。いずれも市のホームページで閲覧できる。
同システム構築に向け、市は中核的な相談窓口や、各機関を包括的につなぐ役割を担う係、課の設置なども検討。臨床心理士をはじめ児童精神科医や臨床発達心理士など専門職の確保も課題としている。
前底所長は課の設置について「すぐにでもできればいいが、人材確保の問題もある。遅くとも新庁舎建設までの設置を目指している」と話している。