近くだからいつでも行けると思いながら、機会がなかった前勢岳の石垣島天文台に友人らと出掛けた▼黄金週間とあって観光客や地元の家族連れも多く、天体観望会は予約がいっぱいで午後の施設見学と200インチスクリーンの立体映像で宇宙の誕生などを紹介する4D2Uを楽しんだ▼星座占いに興味を持ったことはあるが天体に関しては疎く、南十字星が国内で最もよく見える島にいながら見つけられない。子どもたちのためにも星を学ぶプラネタリウムがあったらと思う▼群れて光るスバルを「ムリカ星」、金星を表す「シカマ(仕事のこと)星」は仕事を終える頃に出る星。夕飯時に現れる「フォイダマー(食いしん坊)星」、稲の収穫の目安にした「ぱい(南)が星」、干支の子(北)の方角にある北極星は「にぬふぁぶし」など八重山方言には独特の呼び名があり、星にちなんだ昔話や歌が多いのも興味深い▼石垣島は天文学者が選ぶ星空が最も美しい場所の第1位で「星の島」の知名度は年々高まり、星空を見るために訪れる天文ファンも増えているという▼でも最近は島も人工の明かりが増え、市街地では星が見えづらくなった。天文台でも啓発していたが夜空が明るくなり自然環境に影響を及ぼす光害(ひかりがい)は今後、島全体で考えなければならない課題だろう。(辻本順子)
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