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「育鵬社版は不十分」 沖縄戦記述

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今年の中学校社会科教科書の検定結果や八重山教科書問題などについて4人のパネリストが議論を展開した教科書シンポジウム=18日午後、市健康福祉センター

 「教科書を考えるシンポジウム」(子どもと教科書全国ネット21、子どもと教科書を考える八重山地区住民の会主催)が18日午後、石垣市健康福祉センターであり、今年の中学校社会科教科書の検定結果や八重山教科書問題などについて4人のパネリストが議論を展開した。集会決議文も採択した。

 住民の会事務局の藤井幸子さんがコーディネーター、平和教育をすすめる会の山口剛史事務局長、石垣第二中学校の上原邦夫教諭、住民の会の宮良純一郎事務局長、同ネットの俵義文事務局長がパネリストを務めた。

 山口事務局長は育鵬社の社会科教科書の沖縄戦記述を紹介し、「八重山の記述が新たに増えたが、非常に不十分。本質がつかれていない」と指摘。「いくつかの会社で沖縄戦の記述は増えているが、増えた減ったで議論すると危ういところがある。何がテーマで、どういう教訓や問題点を浮かび上がらせようとしているか。教科書の編集意図をきちんと読み取る必要がある」と述べた。

 上原教諭は「教師から見たよりよい教科書とは」の視点で意見を述べ、「教員はすべてのページに関して授業をどうつくるかを考えている。1ページだけ良いからその教科書を選ぶというのは暴論」と強調。「日常的に教科書を読み、授業を組み立てている教員の意見が反映されるのが一番よいと思うし、生徒も正しいことを身に付けていくと思う」と述べた。

 宮良事務局長は八重山教科書問題の教訓について「子どもの学びの視点が尊重されないといけない。民主的な運営を求めていく運動を住民とともに展開していきたい」と語った。

 最後に▽採択地区協議会の教科書選定については、調査員の調査研究報告書を尊重し、教科書名を挙げて実質審議をする▽教科書の選定にかかる協議会、採択にかかる教育委員会での審議の内容と採択に至った理由を広く公開する—など4項目を盛り込んだ集会決議文も採択。住民の会は20日に県内の教育委員会に決議文を送付する。


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