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食で石垣島を元気に!

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原田和幸さん

■メニューのない店経営

 石垣市大浜にあるレストラン美味食彩「花」はメニューのない店として知られる。オーナーシェフは原田和幸さん(33)。原田さんは、おまかせ料理でレストランを営業。経営の傍ら石垣島の食材を生かした新商品・新特産品づくりなどにも取り組み、これまでいくつもの新商品を開発している。

 

■意欲的な商品開発

 店は2009年4月にオープンした。以降、「月桃葉寿司」「ピパーツ餅」「生ちんすこう」「濡れちんすこう」「ハブ粉スイーツ」「お茶(黒紫米)」「紅イモ生スイーツ」などを開発している。

 2012年に行われた「ピパーツコンテスト」(INSブランド創出プロジェクト協議会主催)では、出品した「ピパーツ餅」が、「八重山地方になかった和菓子。やわらかく日持ちのしないピパーツの若葉を塩漬けにして長期保存できるようにしたのがポイント。新感覚のスイーツとして人気が出そう」と審査員から評価されグランプリに輝き、新空港開港記念で開催された八重山の産業まつりでは、グルクンや月桃葉を生かした弁当で同コンテスト銀賞となっている。

 南ぬ島石垣空港の石垣島特産品販売センターで販売されている「生ちんすこう」と「濡れちんすこう」は、「沖夢紫ロールモンブラン」(八重山南風堂)「島豚ごろごろ」(ゴーヤカンパニー)と並び空港で売れ筋商品になっており、全国各地の「空港の新勢力、お土産に買いたい注目商品」として朝日テレビに取り上げられ話題になった。

 

■料理は人を幸せにすると実感

 原田さんは1981年、和歌山県橋本市出身。小学4年生のとき、「学校給食で食事担当になり、ぼくが盛り付けた料理を友だちがすごく喜んでくれた。料理が人を幸せにすることができる」と実感、料理人になりたいと思ったという。

 その後、地元の高校から大阪にある辻学園調理技術専門学校(和食)に進み、卒業後は学校から推薦され、「料理の鉄人」(1993|99年、フジテレビ)にも度々出演した有名な料理人の大阪にある日本料理店で1年間修行。

 そして、レストラン関係者との縁で、沖縄県西表島南風見にあるリゾートホテル「ラ・ティーダ西表」に就職。7年間勤務した。「フランスで三ツ星レストランで働いた経験を持つシェフもおり、多くのことを学ぶことができた貴重な時間だった」と原田さん、ラ・ティーダでは料理長も務めた。

 2009年2月には石垣島に移住、「出会い|人と人、人と食材、食材と食材」をコンセプトにレストラン「花」をオープンした。

 店は閑静な住宅街のなかにあり、タクシーの運転手でも当初は場所が分からないほどだったが、そのうち口コミや地元新聞や情報紙などで取り上げられ評判になった。

 2、3年前からは積極的に地域行事に参加し、小中学校で教諭や児童生徒らを対象にした講話や調理実習などで講師を務めたり、また女性グループによる社会教育学習でスイーツづくり講習を指導している。

 八重山に来てから、紅イモ、ゴーヤ、青パパイア、ローズマリー、ウイキョウなどといった地元の食材を生かしたメニューづくりに取り組んでいるが、まだまだ工夫すれば魅力的な組み合わせができると考えている。 

 

■料理は一期一会

 昨年6月には志を共有できる仲間4人と、「石垣島を元気にしよう」をコンセプトに「石垣島一番計画」を掲げた。スタートしたばかりで不定期的だが、石垣島の新たな魅力の創出、観光産業の新たな提案、新しい特産品などについて意見を交換している。

 同グループのメンバーは、健康食品製造業者、菓子製造業者、ホテルスタッフ、市の商工会会員などで、原田さんは世話人を務めている。

 店内の壁には2013年の年明けにしたためた「一期一会」の書き初めが張られている。注文を受けてから、すべて原田さんが一人でつくっており、メニューが決まっていないので、毎日来てもメニューを変えることができ、「一期一会の料理との出合いを楽しんでほしい」と原田さん。

「石垣島のシェフ原田と呼ばれることが夢ですね」と語った。


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