与那国町議会の正副議長が辞職届けを提出し、26日で10日間が経過した。その間、与党議員人1人も含め与党3人全員が本会議を欠席する異常事態が続いている。25日までだった会期は4月10日まで16日間、延長されたが、正常化のめどは立たないままだ▼この事態を受け、町当局は、条例関係を31日に専決処分し、新年度予算については一部を暫定予算として組み直し、専決処分することを検討している。住民生活への影響を避けるため、必要な措置だ▼正副議長の辞職届け提出には、野党議員への不満があるようだ。同議会は与野党3人ずつの同数。改選後の議長選挙で同数となり、与党の糸数健一氏が議長を引き受けた経緯がある▼だが、その後の議会で住民投票条例など陸自配備関連議案の可否を野党が主導を握り、新年度予算案に対しても、陸自関連予算を削除した修正案を上程したことが、正副議長が辞職届けを提出する引き金となったようだ▼だが、事情はどうあれ、議会には行政のチェック機関としての責務がある。議会に出席しないことは、その責務を放棄することになる。まして3月議会は、新年度当初予算等を審議する重要な議会▼議会のいざこざが住民生活に影響を及ぼすことがないよう、双方が歩み寄り、早急な議会正常化が必要だ。(下野宏一)
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