八重山の自然が育んだハーブや薬草の魅力を紹介しようと「命草(ぬちぐさ)」をテーマにしたハーブフェスタ・ウィークが過日開かれ、ハーブの良さを再認識し堪能した人も多いと思う▼市内のハーブ関係者が連携した初の取り組みでハーブ製品の販売や施術体験、料理、講演会と多彩な企画で新たな発見や可能性が広がったのではないだろうか▼家の裏庭や原っぱなど、とても身近にありすぎて取り立てて注目してこなかった独特の薬草やハーブ類。ピパーチなどよく使うもの以外は名称や活用法も知らないものも多く「こんなに幅広いとは!見直す機会になった。足元にある大切な恵みだね」という声も▼健康志向から全国にはハーブをまちづくりの一つにしている自治体も多いようだ。石垣島は温暖な気候から年中ハーブが栽培でき、南国の強い日差しの中で育つ植物は本土とは違う風味や味わいがあるらしく、県外の愛好家から人気を集めているという▼今回の取り組みが一過性のイベントとして終わることなく、継続して良さを伝え地元産業、振興につながる活動に発展してほしいし、それには行政のバックアップや地域ぐるみの連携が必要だろう▼石垣島で生まれた「命草」が広がって健康長寿の島、観光の島にもう一つ「ハーブの島」が加わればうれしい。(辻本順子)
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