スカイマークの3月29日の石垣路線からの撤退で高騰が心配されていた石垣—那覇間の航空運賃はほぼ据え置かれることになった。運賃高騰は好調な八重山観光に水を差すばかりか、飛行機を利用する郡民の負担増となるだけに、関係者も“安堵(あんど)”だろう▼日本トランスオーシャン航空は10日、石垣—那覇間に3月29日から6月30日まで、搭乗3日前から前日までの「特便割引」を追加設定し、片道8000円〜1万1500円で国土交通省に届け出た。3月29日から新規就航するソラシドエアは搭乗3日前までの特売りはあるが、それ以後は普通運賃だ▼航空業界では、国交省の通達で新規航空会社を保護・育成するため、同一条件下で新規航空会社が設定した運賃を既存航空会社が下回らないよう求められている▼JTAの今回の価格設定は、この通達に「風穴」を開けたもので、利用者から高く評価され、歓迎されよう▼新規航空会社の参入で、利用者にとっては利便性が高まり、航空運賃も引き下げられた。これを考えると新規を保護・育成するため、一定の保護措置は必要だろう▼だが、それが適正な価格競争を阻害し、利用者が不利益を被ることがあってはならない。新規航空会社にも参入する地域の実情を踏まえた運賃設定が求められよう。(下野宏一)
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