日本トランスオーシャン航空(JTA、丸川潔社長、那覇市)は10日、スカイネットアジア航空(ソラシドエア、SNA、騠橋洋取締役社長、宮崎市)が石垣—那覇路線に新規参入する3月29日から6月30日までの運賃について、搭乗日の3日前から前日まで予約購入可能な「特便割引」を追加し、片道8000〜1万1500円に設定、国交省に届け出た。SNAは9日、「特売り3日前」を8200〜8500円に設定する運賃を届け出ているが、前日割引はない。SNAが今後、JTAに対抗すれば、各航空会社の運賃は現行の水準が維持される可能性がある。
JTAによると、国交省の通達では、既存航空会社は同一の割引運賃などで新興航空会社の金額を下回らないよう求められており、通達通りにすると、JTAの前日購入可能な運賃はSNAが設定している2万1000円以上にしなければならない。
このため、JTAは、SNAが設定していない前日割引を設けたほか、SNAと同種の3日前割引についてもSNAとほぼ同一の運賃を設定した。一部で8000円とSNAの金額を下回り、通達から逸脱することになるが、JTAは「SNAはANAの配下にあるグループ」と新興会社ではないと主張して国交省と調整、届け出にこぎ着けたという。
JTAの割引運賃は3日前で8000〜8500円、前日で9000〜1万1500円に設定されている。
JTAの内間康貴取締役は「一部で通達から逸脱するが、国交省と調整して届け出ることができ、これまでの運賃とほぼ同じ運賃に設定することができた。通達に一部、風穴を開けることができたと思う。7月以降の運賃についても来週以降に早めに届け出ができるよう国交省と交渉していきたい」と話した。