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政府は辺野古移設断念せよ

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■辺野古反対派が完全勝利

 県知事選で噴き出した沖縄の日米両政府に対する怒りのマグマは、さらに勢いを増し、公約を破った自民党議員4氏も一飲みした。

 14日投開票された第47回衆院選は、自公連立の安倍政権が3分の2超の議席を確保し、引き続き「一強多弱」の政権を維持した。しかし沖縄は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する4人の候補が、県内四つのすべての選挙区で自公候補を破り、完全勝利を収めたのだ。

 1月の名護市長選、11月の県知事選に続く今回の完全勝利は、辺野古に新基地建設を許さないという県民の揺るがぬ強固な民意であり、前回の「県外移設」の公約を破棄し、辺野古移設容認に転じた自民党議員に対する県民の怒りの表れでもある。政治家は公約の重み、重要性を再認識すべきだ。

 このように3度も「辺野古ノー」の民意が示された以上、建設が困難というのは明白だ。安倍首相は直ちに辺野古移設計画を断念し、あらためて県外・国外移設を検討すべきだ。

■なお辺野古移設強行か

 しかし安倍首相はこの結果を受けてなお、「普天間の固定化はあってはならない」と依然辺野古移設を推進の構えだが、このように駄目押しともいえる強固な民意が示されたのに民主主義を否定する強行があるとするなら、かつての本土復帰闘争のようなマグマが噴き出ることも否定できないだろう。

 今度の沖縄の選挙は、選挙区で敗れた4人の自民党議員はじめ維新から立候補した下地幹郎氏もすべてが比例で復活当選し、いわば立候補した9人全員が当選する“敗者無き選挙”の奇妙な結果となった。これは与野党両サイドから多くの声が国に届けられるという意味で沖縄にとって良いことなのだろうが、しかしどうもすっきりしない実に不思議な選挙制度といえる。

 下地氏は知事選の結果を受けて辺野古反対に明確にかじを切ったが、他の自民候補も3度の「辺野古ノー」の民意を真摯(しんし)に受け止め、県民の思いをしっかり政府に伝えるべきではないか。

 翁長雄志氏が「オール沖縄」を訴えたのは、強大な国の権力に立ち向かうには「イデオロギーよりアイデンティティー」で沖縄が保革を超えて一つにまとまる必要があると痛感したからだ。

■基地問題は県政の足かせ

 自民議員らが普天間の早期の危険性除去を望むなら、仲井真前知事がよく口にした反対の強い辺野古より県外・国外を求めるほうが早いはずだ。沖縄の経済発展の阻害要因となっている基地問題を早期に解決するために、いま一度オール沖縄の構築は困難だろうか。

 今度の選挙で沖縄4区は、本島南部6市町村は仲里利信氏、宮古、八重山の離島は自民の西銘恒三郎氏が勝ち、知事選と同様の構図となった。これも争点の基地問題に対する関心の薄さがこういう結果になったのだろうか。

 ただ八重山で全く知名度のなかった仲里氏が石垣市で8千票余を集め、7百票余差に迫ったのはやはり公約破棄への批判なのだろう。基地問題は離島振興など県政運営の大きな足かせであり、米軍基地のない八重山も同じ県民として大いに関心を持ちたい。


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