旧石垣空港跡地での新県立八重山病院建設事業は、基本設計業務で施設配置が固まり、イメージ模型、コンピューターグラフィックス(CG)が完成した。旧石垣空港跡地の新空港アクセス道路に接した敷地約3万9900平方㍍の北方に一部5階建ての病院、南方に約500台の駐車場を配置した。病棟は4床室と1床室の混合で、病室からは海か山がみえるように設計している。県によると、年内に基本設計、来年3月までに実施設計を終える予定だ。2015年度から工事に入り、17年内の開院を目指す。(9面に関連)
新病院建設では「八重山の風土、環境と共生する進化し続ける病院」をコンセプトに空間づくり、デザイン、快適な施設を心がけ、基本設計業務を行っている。
病院の建築面積は2万3000平方㍍。1階は総合受付、各診療科目の外来、救急、検査室、リハビリ室などが入る。エントランスホールは吹き抜け。明るく心地よい空間を計画する。正面玄関から2階に上がるエレベーターまで一直線で行ける通路を確保した。
2階は一部外来と手術室、集中治療室(ICU)、産婦人科。1階の救急措置室から専用エレベーターで手術室やICUをつなぎ、迅速な救急対応を図る。
3、4階は病棟で、4床室と1床室で構成。各階では、2カ所のスタッフステーション(SS)に加えサブSSを設けることで、病室の患者をより近い位置で見守る環境を整備する。
屋外では園庭、散策路を設け、屋外でリハビリができるようにする。
イメージ模型やCGは29日、第2回八重山病院祭りで公開された。基本設計を行っている業者の担当者は「医療の途切れのない部門配置を意識し、外来棟と病棟を融合させ、立地に溶け込むような設計を心がけている。その土地、地域をみて周辺環境や自然環境、文化を意識して設計している」と話した。
来場し、模型とCGを見た中山義隆市長は「明るく広い雰囲気になっている」と評価。依光たみ枝院長は「郡内の中核病院として、地域住民に信頼され、愛される病院にしなければならない。住民にも自分たちの病院という意識をもってもらいたい」と話した。