深刻な水不足で石垣市は20日から夜間断水に踏み切る。気圧の谷の影響で、15日から久しぶりに雨が降っているものの、雨量はごくわずか。真栄里ダムの水は回復せずに減り続けている▼石垣島から海底送水管で飲料水を送水している竹富島も、同時に夜間断水となる。夏場ほどではないが、現在は団体観光客が多い。このため水需要も上昇を続けており、このまま雨が降らないと市民生活はもとより、経済活動にも支障をきたす▼これだけ雨の少ない年は珍しい。台風がほとんど接近しなかったのが主な原因だ。本土復帰前の大干ばつを思い出すが、ダムや農業施設が整備されたことでサトウキビや水稲が枯れることはなくなった▼昔は干ばつで収入を断たれたことをきっかけに、離農が進んで廃村となった地域もある。いまは散水設備が充実して作物が多大なダメージを受けることもなくなった▼しかし、飲料水事情はさほど変わっていない。白水地区に大型の貯水タンクが1基設置されただけで、真栄里ダムと白水水系、地下水頼みで、地下水のポンプアップ量もほぼ限界▼新空港の開港で観光客は激増、今年は110万人台の見通しだ。観光客が増えるほど水事情も増加しており、水道計画にも狂いが生じている。抜本的な見直しを行わなければ大変な状況になる。しっかり対応策を検討しよう。(黒島安隆)
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