指折り数え、その日の到来を心待ちにするのは子どもの領分だと思っていたが、どっこい大人にもあった。久しく忘れていた指折り数えるを思い出させたのは、通りを挟んだ牧草地に植えた初収穫の島バナナ▼やせた畑地のせいか、木は小さいが精いっぱい実を付けている。房が現れる様子を裏庭から眺め、時どき立ち寄って青い実が丸みを帯びていく一部始終を100日余も観察してきた▼丸まってきた実を見て、そろそろ収穫どきではと家人。もう少しふくらませてみよう、叔父も言っていたし少し色づくまで待ってもいいのではないか。それでは来週までよと再び家人▼翌日からは、家から眺めて確認するだけでなくバナナの実に触れ、早く色づいてよと声かけも。指折り数えるとはこんな心もちのことをいうのだろう。しかもその日の到来はまだなのに話は収穫後におよんでいる▼切り分けたら一つはお隣に、本土に住む子どもと知人の所にも送ろう。バナナの木にぶらさがった房の様子もみせたいので写真も添えよう。残りは自家用だと皮算用も盛り上がっている。夢でも早く収穫、収穫をと迫る家人。早く色づけバナナさん▼写真は2方向から撮った。家人との約束の収穫日がきた。薄暗いうちにノコを手に出向いた。なくなっていた!誰かに一足先を越されたようだ。(仲間清隆)
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