石垣市は、竹富町役場前の市有地内にある旧鉢嶺材木店八重山店の建物を買い取り、今後予定されている港湾計画の利用に備えることにしている。建物がある土地一帯は、昨年12月に改訂された港湾計画で交通機能用地や都市機能用地(美崎町再開発)などに位置づけられており、具体的には南ぬ浜町と本港地区を結ぶ第2の架橋となる臨港道路が計画されている。事業が具体化した場合、市は今回買い取った建物を取り壊すなど、スムーズな土地利用につなげる考えだ。
港湾課(玉城広文課長)によると、建物の所有者は当初、第三者への譲渡を模索していたが、市は「買い取るほうが効率的な土地利用が図れる」と判断、買い取ることで合意した。
市は、2014年度港湾事業特別会計の9月補整で公有財産取得費として3974万円を確保。今後、売買の仮契約を結び、12月議会で正式に財産の取得について承認を得る予定だ。建物については当面、別の事業者への賃貸借を予定している。
建物は、敷地1379平方㍍のうち704平方㍍に倉庫、コンクリート土間などがある。市は同社に土地を貸し付けており、建物の売買契約後、解除する予定。
同地の区画内にある危険物取扱事業者は現在、南ぬ浜町への移転に向けて調整しており、石垣雅好建設部長は8日の市議会一般質問で「現段階では、おおむね2018(平成30)年から20(同32)年をめどに作業を進めている」と答弁している。
玉城課長は「エネルギー施設の移転と同時に建物を取り壊すことができ、臨港道路や美崎町の再開発などへの土地利用がスムーズにいくのではないか」と話している。