石垣市(中山義隆市長)は3日夜、崎枝公民館(新里武夫館長)で不発弾保管庫の建設計画に関する説明会・意見交換会を事業者の県とともに開いた。中山義隆市長が自ら出席し、「候補地を選定する中で理解が得られる手法を踏めなかったことを申し訳なく思う」と陳謝。市と県は保管庫の安全性について理解を求めたが、地域住民からは反対意見が相次いだほか、これまでの経過や市の対応に不満の声が上がった。説明会には住民約30人が参加した。
不発弾保管庫建設事業をめぐり、市は候補地選定などに協力してきたが、地域の理解を求める手続きは公民館長との口頭でのやりとりのみで進められてきた経緯がある。
この日の説明・意見交換会の開催に向けても、市側と公民館の調整が難航。市は公民館の要望を受け、中山市長が出席して開催にこぎ着けたが、参加した地域住民はなお「自衛隊基地配備の地ならしにもなりかねない」「港から搬出する危険物をわざわざ崎枝まで持ってきて保管する必要があるのか」と反発した。
住民の一人は「石垣市全体を考えた上で、保管庫の必要性や安全性は理解できるが、手続きの進め方に不信感を持っている」と一定の理解を示しつつ、市への不信感を募らせた。
中山市長は冒頭のあいさつで「皆さんから市当局の(手続きの)進め方について不満、指摘をいただいている。行政を預かる長として経緯についてご迷惑をかけたことをおわび申し上げる。今回は市の不発弾の保管状況や今後の計画を説明させていただきたい」と述べた。
説明会では保管庫に関する質疑に集中し、地域振興に関する意見交換会は日を改めて開催することにした。
説明会終了後、新里館長は「意見集約を何とかやっていかなければならないが、賛否の前に行政との信頼関係を取り戻すことが先になる」と述べ、今後の対応については公民館役員で話し合って検討する考えを示した。