石垣港に2日、クルーズ船2隻が入港した。石垣市港湾課によると、今年に入って2隻同時の入港は3度目。現石垣港では2隻同時入港が困難となっており、いずれも不定期のクルーズ船が沖合で停泊した。乗船客は小型船に乗り換えて上陸するなど不便を強いられており、あらためて南ぬ浜町(新港地区)で計画されている2隻同時の接岸が可能となる旅客船ターミナル整備の必要性が浮き彫りになった。
世界各地に存在する台湾人商工関係者が乗船するサン・プリンセス号(乗客1450人、7万7441㌧)は午前8時半ごろ、石垣港に入港し、沖合に停泊。定期のアクエリアス号(乗客1422人、5万1309㌧)は午前11時ごろ、岸壁に接岸した。
サン号に乗船する客には、小型船4隻が本船と石垣港離島ターミナルをピストン運航して対応したが、ターミナルで出迎えた中山義隆市長は「観光に来る人にとっては時間的にロスになる」と指摘する。
昨年12月に改訂された石垣市の港湾計画によると、南ぬ浜町では7万㌧級に対応する水深9㍍の岸壁340㍍に加え、新たに14万㌧級が接岸できる水深12㍍岸壁を410㍍整備することになっている。
内閣府沖縄総合事務局石垣港湾事務所(濵口信彦所長)と石垣市は今年6月27日、八重山漁協の総会で、改訂港湾計画で追加された岸壁整備に伴う岩礁破砕などについて同意を得た。港湾事務所が現在、八重山漁協と補償交渉を進めている。 中山市長は「市はポートセールスも行っており、これからも2隻同時の入港は十分ありえるし、期待している。2隻同時に接岸できる岸壁の整備を促進したい」と話している。