北風が吹くと海外のごみが大量に漂着し、困っているが先日は中国から微小粒子状物質(PM2・5)が飛来、石垣市が注意を促すという騒ぎがあった▼濃度予測が「注意喚起レベル」を超えたためだが、実際もやがかかったように視程が悪くなったものの、どれだけの数値があったのか分からない。これはおかしい▼県内では、各地に大気物質の調査機器が設置されているが、PM2・5を測定しているのは本島中部だけ。遠く離れた宮古、八重山にとっては、あまり参考にならない▼インターネットやNHKテレビのデータ放送では、PM2・5の分布予測などが公表されている。しかし多大な影響を受けているはずの八重山で、実測されていないのは不満だ。飛来証拠のデータがなければ、文句も改善要求も言えない▼青い海と空が八重山のセールスポイントだが、このままだと、冬場はどんよりした空、健康被害をおそれ、マスク姿の人々が行き交う街になりかねない▼PM2・5の濃度が悪化する可能性も否めない。その場合、学校、職場は休みにするのか、きちんと協議していかなければならないだろう。台風が接近するとすぐに分かるが、大気汚染は気付きにくい。しかし分布図を見ていると、八重山は毎日のように色塗りエリアに入っているのだ。(黒島安隆)
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