菓子類の原料などとして需要が高まり、生産量が伸びている甘しょ(サツマイモ)について石垣市は19日、加工施設の導入について具体的な検討を始めた。市甘しょ振興協議会(会長・向井信夫石垣市農政経済課長、委員10人)を市役所で立ち上げ、農家や2次加工業者らにアンケートを行い、先進地を視察した上で施設規模や運営方法などについて年内に方向性を打ち出すことを確認した。早ければ2015年度の一括交付金を活用して整備する予定だ。
石垣島で主に栽培されているサツマイモは「沖夢紫」。2013年は40戸の契約農家が7㌶で60㌧を生産。契約先の農業生産法人(有)石垣島薬草研究会(運道和直代表取締役)がペースト状に1次加工して出荷している。ペースト量は40㌧。
運道代表取締役によると、現段階でも年間200㌧の生産量がないと足りない状況で、協議会では5年後の目標として500㌧(ペースト量350㌧)を掲げた。
協議会では、サトウキビ収穫後のほ場を利用した甘しょ生産の拡大を図り、加工施設を導入して6次産業化を推進する考え。収穫後のほ場を活用することで裸地状態も解消でき、赤土流出防止によって環境保全型の農業も展開できるとしている。
今後、サトウキビ農家を含む生産者と本島の菓子店を含む2次加工業者を対象にアンケートを行い、今後の生産体制や土地利用、需要見通しを見極めた上で加工施設の規模や運営方法を検討する。
会長の向井課長は会議の冒頭、「甘しょを生産することでサトウキビ収穫後の裸地を解消し、赤土流出防止も図りながら農業所得を向上させたい。加工施設の導入で6次産業化につなげていきたい」と話した。
協議会のメンバーは市の農政経済、商工振興、環境の各課長のほか、県、研究機関、農業団体、生産組合、加工施設の担当者や代表者ら。