生産振興を図ろうと石垣市が石垣島熱帯果樹加工協同組合を通して昨年9月に市民に無償配布したピパーツ(ヒハツモドキ)の収穫が本格化し、島こしょうの原料となる600㌔の実を加工した「がりがり粗挽きピパーツ」が完成した。初の販売が18日、石垣市役所隣接地で開催される石垣島大BBQまつりで行われる。
市は島の特産品にしようと昨年9月から今年2月にかけ、ピパーツの苗5千本を市民へ配布していた。同商品に使われる原料は、育ったピパーツから収穫された実。加工から販売までを手掛ける「なりーの野菜屋さん」(富永政斉代表)が、キロ当たり1500円で約600㌔を市民から買い取った。
冷凍や乾燥、粉砕などの工程を経て製造。独特の香りや辛味が消えないよう数十回に及ぶ試作を繰り返して完成したという。粗びきにしたピパーツはペッパーミル容器に入れられており、料理などに使う際はミルでひいたばかりの状態で味わうことができる。
通常価格は、50㌘入りで1本1540円(税込み)だが、BBQまつり当日は記念価格として千円で販売する。試食品も準備する予定で富永代表は「風味と辛味を残すよう数十回の試作を経て完成した自信作。肉はもちろん、マーボー豆腐や八宝菜などの中華料理、唐揚げなどにぴったりの新感覚香辛料だ。ぜひ会場で味を確かめてほしい」と商品に自信を見せる。
今後は、香辛料以外にも菓子やソースなどへの利用を視野に入れており、大手食品メーカーなどへ売り込みもかけたい考え。海外へはすでに販路を開拓しており、石垣島を訪れたフランスのバイヤーに気に入られ、年内に100㌔を同国へ輸出するという。