与那国町は12日に開会する6月定例町議会(前西原武三議長)で、陸上自衛隊沿岸監視部隊の与那国配備に伴う町有地の年間賃貸料約1500万円を歳入に組み入れ、小中学生の給食費と幼稚園のミルク費の無料化に必要な費用に充てることを盛り込んだ本年度の一般会計補正予算案を上程する。同予算案では、防衛省の補助金を使ったごみ焼却場整備に伴う基本設計の業務委託費など約2100万円も計上している。
町が同部隊配備に伴う歳入を町予算に計上するのは初めて。
議会事務局や町教委によると、同町の児童生徒数は123人で1年間の給食費は約670万円、幼稚園児は38人で1年間のミルク費は約35万円。6月からの無料化を予定している。
昨夏の与那国町長選挙で給食費の無償化を公約に掲げていた外間守吉町長は「ようやく給食費の無償化を実現することができる。子育て世代の負担を軽減することで若者が住みやすい環境を整えていきたい」と話した。
町まちづくり課によると、ごみ焼却場の整備は、総事業費10億円以上を見込む。事業費の3分の2は国、3分の1を町が負担する。町負担額が3億を上回る見通しとなっていることから、外間町長は「町の負担軽減のためにも、補助率について国と調整している」と述べた。
町は本年度中に実施設計を完了させ、2015年度着工、同年度中の稼働を目指している。
町が同部隊配備に伴って国に貸している町有地は21万4462平方㍍。1平方㍍あたり賃貸料は70円。町と沖縄防衛局は昨年6月に仮契約を行い、3月末に正式に賃貸契約を交わしている。