第46回八重山古典民謡コンクール(八重山毎日新聞社主催)は5日夜、石垣市民会館で各賞の合格者を発表した。最優秀賞に5人、優秀賞に29人、新人賞に42人、奨励普及賞に17人の計93人が合格した。表彰式と演奏発表会は10月22日、市民会館大ホールで行われる。
審査最終日のこの日は優秀賞の部終了後、引き続き市民会館中ホールで午後7時ごろから審査委員会(仲大底博也委員長、10人)の合格判定会議が開かれた。午後8時半ごろ、屋外で合格者の受験番号と名前が掲示された。待ちわびていた受験者や家族、師匠らが合格者の一覧表に食い入るように見入り、結果に一喜一憂していた。
このうち奨励普及賞に合格した中学1年の東筋優奈さん(12)=愛知県北名古屋市=は「どうなるか分からなかったのでうれしい」と満面に笑み。自身は生まれも育ちも北名古屋市だが、八重山出身の祖父母に憧れて3年前から三線を始めた。「特徴的な音楽がいい。来年は新人賞を一発で取りたい」と古典民謡の習得にさらなる意欲を燃やした。
仲大底委員長は判定会議終了後、「受験者が長い間待ち望んでいたコンクール。受験できたことを喜んでいると思う。私たちも感謝したい」とねぎらう一方、「マスクやモニターで練習したからか全体的に発声が悪かった。対面で指導を受ける時間が少なかったかもしれない」などと課題を指摘した。
他の委員からも「声が小さく、三線の音も聞こえない人もいた。だめなら即退場でもいい」と厳しい意見があったほか、「今回感じたのは女性が元気でうまかったこと」などの感想もあった。
同コンクールは、正確な八重山古典民謡の伝承普及と卓越した新進唄い手の発掘、後進の育成を図り、八重山の音楽文化の発展向上に寄与することを目的としている。
2019年の第45回以降、新型コロナウイルス感染症の影響で延期され、第46回は3年越しの開催。2日から5日まで各部の審査が行われ、最優秀賞に73人、優秀賞に62人、新人賞に53人、奨励普及賞に17人が挑戦。合格率はそれぞれ7%、47%、79%、100%だった。