来月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられる。高校3年生なら誕生日を迎えた日からもう成人だ。自身を振り返ると、まだ子どもだった。高校を卒業してもそう。仕事をして自ら稼ぐようになってようやく大人としての実感がもてたような気がする▼それでも社会のことはよくわらかなかった。働き始めて間もないころ、「連帯保証人」になったことがある。自身が借りているのとほとんど同じで、請求されたら反論できず全額を返済する責任があることも知らずに。その結果、一部債務を返済するはめに。催促の電話が何度も。精神的にも辛い。「金融」を学ぶ高い授業料だった▼成人年齢の引き下げで18、19歳も自分の判断でさまざまな契約を結べるようになる。そこで心配されるのが、お金を巡るトラブルだ。悪徳商法にだまされる危険性も増大するおそれがある▼これまでは未成年者が親の同意を得ずに契約した場合には契約を取り消すことができる「未成年者取消権」があったが、これがなくなるからだ▼そこで4月からは高校で「金融教育」が始まる。金や金融の働きを理解し、主体的に行動できる態度を養うという。都会は誘惑が多い。島を出る前にしっかり学んでほしい。保護者も自らの経験を踏まえてアドバイスを。(比嘉盛友)
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