旧暦5月4日の「ユッカヌヒー」の1日、石垣市爬龍船競漕大会(同実行委員会主催)が浜崎町の石垣漁港で行われ、航海安全と豊漁を祈り、ウミンチュらが力強いカイさばきで熱い競漕(きょうそう)を繰り広げた。東一、東二、中・西合同の3組対抗で行われた本バーリーは、「御願」と「上がり」を制した中・西合同が総合7連覇を達成した。この日は日曜日とあって、大勢の市民や観光客が会場を埋め尽くし、終日、青空が広がり、最高気温が30度を超す炎天下、勇壮なハーリーを満喫。石垣市の白保、伊原間、竹富町西表白浜、小浜細崎、与那国町久部良でもハーリーが行われた。
今年で108回目を迎えた石垣市爬龍船競漕大会は1906(明治39)年に始まったとされる。
会場には、朝早くから団体ハーリーの出場選手や見物客が訪れ、午前8時から幕開けする舟そろえ(スネー)を見守った。
開会式では、上原亀一大会長(八重山漁協組合長)が「豊かな海に感謝し、豊漁と安全操業を祈願したい。各ハーリーでは練習の成果を発揮し、正々堂々と勝負してください」とあいさつ。昨年総合優勝の中・西合同の渡久山朝秀さん(中二組)が「八重山の海の豊漁を祈願し、力強いカイさばきで勝負する」と力強く選手宣誓した。
本バーリーでは、中・西合同組が「御願ハーリー」を制し、「転覆ハーリー」は東一組が3連覇を決めた。各組の猛者が出場する「上がりハーリー」ではスタートから終始、レースをリードした中・西組合同が先頭でゴールし、7連覇を達成した。
岸壁では、漁師仲間や各組の女性部がパーランクーを打ち鳴らして熱烈な声援、こぎ手の背を後押しした。
競漕前のアトラクションでは、各組の女性部と新川小と真喜良小、八島小の児童らが踊りを披露し、大会に花を添えた。
このほか、団体やマドンナ、中学校対抗、水産関係のハーリーが行われた。
【本バーリー結果】
▽御願ハーリー=①中・西組合同(西)13分59秒41▽②東二組14分02秒72▽③東一組14分14秒94▽転覆ハーリー=東一組10分15秒00②中・西組合同(中一)10分17秒00③東二組10分51秒88▽上りハーリー中・西組合同(中二)14分10秒41②東一組14分51秒94③東二組15分20秒69▽総合=①中・西組合同(27点)②東一組(21点)③東二組(15点)