わが子を危険な状況、あるいは有害な環境から遠ざけたいと思うのが世の親たちの願いであろう▼辺野古の米軍基地建設現場で座り込みを続ける高齢者たちは、沖縄戦において私たちの想像を超える経験をしてきた人たちである。子や孫らの時代に同じようなことがあってはならないとの信念から、老骨にむち打って連日の抗議行動に参加している▼子や孫たちが活躍する未来は平和であってほしい。いかなる理由があろうとも人間が人間を殺す戦争だけは絶対にあってはならない。この願いは、石垣島の陸自配備計画に異議を唱える多くの住民の声と共通する。まさに親が子を思う親心である▼戦時下では、この親心が一切、通用しないことを歴史は教える。先の大戦に導かれた歴史を正しく認識し、決して同じ過ちを繰り返させてはならないとの願い。陸自配備に賛成、反対の双方とも、方法は違えどもこれだけは共通の認識と信じたい▼自ら下した判断によって、子どもたちの未来が戦争の時代となっては死んでも死にきれまい。ふるさとを戦場にさせてはならない。誰も殺さない。石垣島の未来はそうあってほしい▼頼もしい島の若者たちが、住民投票請求の署名簿を提出した。注目される市議会の対応、ぜひとも市民の代表である議員諸氏の親心を見てみたい(鬚川修)
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