平得大俣地域への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票条例の制定を求める直接請求に向け、石垣市住民投票を求める会(金城龍太郎代表)が10月31日から行っている「市民大署名運動会」は中間地点を過ぎ、後半の運動に突入している。期限は11月30日。未回収分もあるため正確な数字は把握できていないが、17日までに4000筆を超える見通しという。すでに地方自治法で定める有権者の50分の1を大きくクリアしているが、よりハードルの高い市自治基本条例の4分の1以上の約1万筆を目指す。同会は「自衛隊への賛成、反対を問うものではない。平得大俣への配備を問う投票だ」とアピールしている。
同会は「石垣島の聖地である於茂登岳のふもとに陸上自衛隊の配備計画が進められている。美しく豊かな自然と文化の観光都市に、誘導弾(ミサイル)部隊の配備がされると、どんな影響が出るのか情報も共有されずに、於茂登岳の水など自然環境への影響がどうなるのか調査もされずに、着工されていいのでしょうか」との疑問から署名運動を展開している。
同会が準備している条例案は、平得大俣地域の陸上自衛隊配備計画に対して住民の意思を確認することを目的とし、賛成か反対かのいずれかを選択してもらう内容。市長と市議会は住民投票の結果を尊重しなければならないと規定する。
運動開始に当たって同会は、署名を集める受任者約200人を確保。その後、増えているという。受任者らは約2万筆分の署名簿を持ち帰っており、同会は名簿の提出も呼び掛けている。
署名は、受任者が集める以外に登野城の同会事務所と市内21カ所の店舗でも可能となっており、署名箇所を記載したチラシを配布していく。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やポスターでの情報発信、広報車での街宣など取り組みを強化する考え。
金城代表は「まだ浸透していない部分もある。これからは目に見える形で、耳に入る形で呼び掛けをしていきたい。みんな忙しいのでボランティアは難しいかもしれないが、SNSで見た場合にシェアしてくれるだけで大きな助けになる。少しでも皆さんの力をいただきたい」と話している。