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特定秘密保護法案、国家権力で住民を監視

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特定秘密保護法について意見を述べた大田昌秀(手前)と西山太吉氏(奥)=29日夜、那覇市

 【那覇】機密を漏らした公務員らへの罰則強化を盛り込んだ特定秘密保護法案に反対する沖縄集会(主催・県マスコミ労働組合協議会)が29日夜、那覇市にある県青年会館で開かれた。集会は、元県知事の大田昌秀氏と沖縄返還に伴う日米密約を報じて有罪判決を受けた元毎日新聞記者の西山太吉氏が、それぞれ同法が及ぼす影響や危険性について提言し、最後は約270人の参加者が廃案を求める決議を採択した。

 集会で、西山氏はこれまで経験した海外での取材活動を振り返りながら「日本は先進国の中でも高度な問題に対して国民の関心、監視能力が低い。それはメディアの取材能力にも反映される」と指摘した。

 続けて「この法律は政府が情報を管理しやすくするもので、政府は監視能力の低さを利用している。これを機会に関心を深めて政府に圧力をかけられるような運動を展開してほしい」と呼びかけた。

 大田氏は、戦時中に情報宣伝隊に配属されていた経験から「権力者は情報を操作する。この法律は、手足を縛られ何もできなくなるようなもの」と述べ、特定秘密保護法がはらむ危険性を強調した。

 その上で、米軍基地問題の原因や経緯について見解を述べながら「集団的自衛権も絡み、怖い状況にある。真剣にこの法律について考えなければいけない。徹底的に反対していこう」と訴えた。

 集会決議では、同法に「権力者の思うままに秘密を際限なくつくることができてしまう問題だらけの法律」と批判。特定秘密として、防衛や外交、スパイ、テロ活動防止など分野を指定していることにも危機感を示し、参院で徹底的に議論した上で廃案とするよう強く求めた。

 最後は、同法について考えを深めた平和団体や労働組合、ジャーナリストなどの参加者が廃案に向けて取り組むことに決意を新たにし、ガンバロー三唱をした。


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