県立八重山病院(依光たみ枝院長)は2月1日から従来の紙のカルテ(診療録)を電子化した「電子カルテ」を導入する。同システムの導入で、医師らが端末上で患者の情報を共有し、事前に診察内容を把握できることから、診療効率の向上が期待される。また、患者のIDと薬品、電子カルテをバーコードで確認することで、患者や薬品の取り違え防止などへの効果も期待できる。依光院長は「診療効率を高めることで、患者への負担を軽減し、質の高い医療サービスを提供できるようにしたい」と話した。
これまで同病院では、患者が紙のカルテを持って各科を回り、診察する医師も受け取ったカルテの初見で診察を始めていた。
電子カルテを導入することで、医師らが端末上で患者の情報を共有するとともに患者の診察内容を把握し、準備することができるようになり、診察時間の短縮につながる。
また、点滴などの薬品を扱う場合、患者が身につけるID入りリストバンドと薬品、電子カルテをバーコードで確認する3点チェックで薬品の取り違えなどを予防することができるほか、受け付け後にカルテを探す時間を省くこともできる。
導入に先立ち同病院では18日、院内で電子カルテ対応のシミュレーションが行われ、病院関係者やボランティアらが、診察券を自動再来受付機に入れ、画面で予約状況や診察時間などを確認し、直接、担当科で診察の順番を待つまでの行程を実践した。
依光院長は「システムに慣れるまで多少時間がかかるかもしれないが、診療効率がアップすることで患者への負担を軽減し、質の高い医療サービスの提供ができるようにしたい」と話した。
電子カルテの導入で、診察の際には保険証とデータの入った診察券が必須。当日に予約のない一般外来患者の受け付けは窓口係で対応する。
電子カルテ導入による大幅なシステム変更で、稼働からしばらくの期間は受け付けから会計までに時間がかかることが予想されるため利用者に理解を求めている。