来月の都知事選挙の争点に注目したい▼気になる候補者は、脱原発を掲げた細川護煕元総理大臣で同じく元総理の小泉純一郎氏や菅直人氏など保革を超えた有力政治家たちが後押ししている。もう1人は自民党を離党し除名されたものの、選挙は組織票だと再び政権党の自公と手打ち、無所属で立つ舛添要一元厚労相▼この2人に続きそうなのが前回次点の護憲人権派の宇都宮健児日弁連元会長。いずれも6年後のオリンピック準備やエネルギー政策、都市防災などを争点として掲げ、都民に信を問うようだ▼中でも細川候補者の脱原発は鮮明で、本日の辺野古をめぐる名護市長選挙同様、結果によっては、政権を大きく揺さぶりかねない。そこで政党の露骨な選挙介入が始まるわけだが、国からの交付金のない東京では、餌が使えず静観するしかないという▼一方で、沖縄のような、交付金をありがたがる自治体では「5百億円規模の名護振興基金」などと餌は百出で、口車に乗せられ一票を投ずる人が出てこないとも限らない▼脱原発やジュゴンの餌場を守ろうは、かつてならたわ言で片づけられただろう。しかし、東日本大震災での福島原発事故を目の当たりにし、新石垣空港建設でのサンゴ礁埋め立て反対運動を勝ち取った今なら、世論を動かし一票を呼び込むかも。(仲間清隆)
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