翁長雄志知事がきょうから来月5日までの日程で訪米し、米軍普天間飛行場の早期返還と名護市辺野古への新基地建設阻止などを米側に直接訴える▼訪米を前にした25日、普天間飛行場の移設先である名護市辺野古沿岸部の前知事による埋め立て承認に関し、第三者委員会から7月上旬に承認取り消しが提言されれば「取り消すことになる」と明言。米政府に自身の決意を鮮明にした▼これにすかさず反応したのが官邸。菅義偉官房長官は、26日の記者会見で翁長知事が埋め立て許可を取り消した場合でも移設工事を強行する考えを示した。何がなんでも工事を進めながら裁判で争う構えをみせている▼さらに「辺野古移設を断念することは普天間飛行場の固定化を容認することにほかならない」と強調した。辺野古新基地ができなければという確定的な話の言及は、まさに国家による脅しといわざるを得ない▼翁長知事は政府を「沖縄に基地を押し付ければ押し付けられる。振興策でごまかせると思っている」と批判する。自らは「身を捨てる気持ちがないと、辺野古移設に反対することはできない」との強い決意だ▼「ウチナーンチュ、ウシェーティーナイビランドー(沖縄の人をないがしろにしてはいけない)」の訴え。日米両政府は沖縄の覚悟を甘くみるべきではない。(鬚川修)
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