新年がスタートし、街が動きだした。昨年は3月に念願の新石垣空港が開港し、観光客も大幅に増えた▼正式発表はこれからだが、初春の交歓会では、市長から2013年の観光客は93万人との予測数値が挙げられ、さらに市観光交流協会長は今年の見通しは100万人と紹介した▼開港に向けたキャンペーンや格安航空会社(LCC)の新規参入、市場競争に伴う航空運賃の引き下げなどが奏功したが、ホテルや飲食店など一部の関連業種を除き、まだ経済効果を吸収できていない▼宿泊客の増加で最も元気が出たホテルも、デフレで宿泊料金が安く抑え込まれているため、スタッフ増で人件費が上昇、薄利多売で厳しい状況が続いているところもある▼八重山観光は競合地のグアムを抜き、少しずつ活気づいている。新規の投資・事業計画も今夏ごろから動きだす見通しだが、ここのところスカイマーク社の不振が気になる▼同社の路線参入で那覇—石垣航空運賃は大幅に下がり、今や那覇—宮古よりも石垣路線が安い。ただ同社は低搭乗率が続いており、観光交流協会は「路線撤退すれば航空運賃は大きく跳ね上がる」と懸念している。今年はその存続と、命題の宿泊サイクル延泊が欠かせない。環境負荷への対応も課題だろう。(黒島安隆)
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