八重山音楽協会(浦添幸子会長)の戦後70年記念シンポジウム「ふるさと生まれの歌を語る!」が25日午後、大濱信泉記念館で開かれ、同協会顧問の三木健氏が戦後のふるさとの歌を発掘する意義について基調報告を行い、「当時の歌を残すのは今が最後のチャンス」と訴えた。戦中戦後の体験を歌との関連で語り合うパネル討論では、仲嶺栄祐さん(91)と宮里テツさん(84)、高宮節子さん(77)が意見を述べた。
6月に開く「戦後70周年記念コンサート“よみがえれ!ふるさとの歌”」の一環で実施したシンポ。
三木氏は、戦後の苦難の時代を物語る歌は、歌える人が高齢化し、作詞作曲を手がけた人たちもほとんどが亡くなっていることを挙げ、「歌詞はあるが譜面がなく、メロディーが分からない歌もある。ちゃんと残していかなければ、消滅していく恐れがある」と指摘した。
パネル討論では、戦後に生まれた歌のなかには、台湾などから引き揚げた人たちが作詞作曲した作品が多いことについて、台湾引き揚げ者の仲嶺さんは「(戦後の)台湾は日本人が自分の思いを発散できる環境になかった。島に帰ってこられた解放感で、あふれる思いを作詞作曲で表現したのかもしれない」と話した。