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Channel: 八重山毎日新聞社
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読者の皆さんは「愛の子守歌」という歌を

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 読者の皆さんは「愛の子守歌」という歌を知っているだろうか。坊やの父様どこにいる。チィンダラホイあの海こえて南の小島におわします。ホイヤホーイ、ヨイ子ダネンネシナ ネンネシナ。終戦間もないころ、石垣島ではやった歌だという▼作者は、石垣市大川出身の故宮良政貴(せいき)さん。戦後八重山文芸復興期の詩人のひとりでありながら、今ではほとんど知る人は少ない。没後50年の昨年、ジャーナリストの三木健さん(75)がふるさとの歌を調査中に未発表の詩などを見つけた▼発見時、三木さんは「はやる気持ちを抑えて資料の入った風呂敷包みを開けて、思わずかたずをのんだ」と振り返る。詩の完成度が高く、戦後八重山の時代相を感じさせる作品の数々に興奮冷めやらなかったという▼そしてこれらの詩がなぜ発表されなかったかと考える。遺族に「今からでも遅くはない」と世に出すことを勧め、5月に詩集「八重山夜曲」として出版されることになった▼それにしても心うたれるのは、没後50年もの間、父親の作品群を自宅に大切に保管していた遺族の思いだ▼宮良さんの作品には、ふるさとの生活感と庶民感覚にあふれたものが多い。生前、その才能を世に問う機会はなかったが、今回の詩集発刊により、生活派詩人の再評価が期待されている。(鬚川修)


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