農畜産物の恵みに感謝し字民の健康、村の団結を祈願するいしゃなぎら(石垣)字会(池城孝会長)の「牛ヌニガイ(牛祭祀)」が19日午後、平田原北側のカク山にある牛ヌ御嶽(牛の御嶽)で行われた。公民館役員や関係者など16人が参加した。
牛ヌニガイは太平洋戦争の激化で1942年から途絶えていたが、2009年に同字会が伝統祭祀の掘り起こし事業として67年ぶりに復活。以後、2年ごとに開かれ、今年で4回目。
牛ヌニガイでは、神司のニンガイ(祈願)の後、蒸した牛肉とニンニクや塩を牛ヌ御嶽周辺に自生しているマーカサヌパー(クワズイモの葉)に包んで奉納した。引き続き予定されていた祝賀会は大雨の影響で場所を石垣公民館に変更した。
祭祀復活後、初めての屋内開催となった祝賀会では、舞台前に1対の獅子頭を飾り、青年会が獅子舞や桃里節、石垣口説、三人棒などを披露。婦人会の舞踊「鷲ぬ鳥節」や、岡山三線教室による斉唱「でんさ節」、崎枝孫雄、岡山稔さんが「野とぅばらーま」を歌い上げた。
池城会長は「村の農畜産物の豊作と満作に対する祈りは今も昔も変わらない。伝統行事を後世に引き継いでいきたい」と話した。