八重山漁協の本マグロ(クロマグロ)漁は6日午前、今期初の水揚げがあった。漁協によると、本マグロ水揚げ量は13年に146本30・50㌧、14年は162本30・85㌧と推移。初水揚げは例年4月20日以降だが、今期は早いという。豊漁が期待される一方、日台漁業取り決めで設定された石垣島北方の三角水域(共同利用水域)では今期も、はえ縄漁船が操業を自粛するなど影響が出そうだ。
今期第1号は、マグロはえ縄漁船の第1善幸丸(名嘉全正船長、乗組員3人)が石垣島南方約40㌔の海域で釣り上げた体長2.32㍍、重量265㌔の大物。水揚げ後、東京都内の水産会社に空輸された。
インドネシアの実習生として同船に乗り込んで1年8カ月になるプライト・ノ(20)さんは「去年は17本揚げ、335㌔の大物もあった」、モハメド・ルトフィさん(20)は「今年もいっぱい釣ってパパ(船長)を喜ばせたい」とそれぞれ笑顔をみせた。
2013年の日台漁業取り決めで設定された三角水域は、今年3月の日台漁業委員会で北東側に拡大され、与那国島の北方にも同様の水域が新たに設けられたが、日本側が強く求めていた漁船の間隔を4カイリ(約7.4㌔)離す操業ルールの全水域適用は認められなかった。
名嘉船長は「2年間、北方水域では操業していない。台湾漁船の縄が太いので、からまったら被害を受ける。はえ縄漁船は台湾漁船がいるところには行けない」と取り決めの撤回を求めた。