「地域コミュニティーの活性化をめざして」をテーマにした石垣市公民館研究大会(石垣市自治公民館連絡協議会主催)が14日午後、平得公民館であり、沖縄大学人文学部(社会学)の宮城能彦教授が「沖縄・石垣における公民館の課題と可能性」の演題で講演し、現代の若者の学習意欲の低下について「無意識で教育を産業サービスと思っている。努力することがばかげているという流れがあり、食い止めるためには地域の力が必要だ」と、公民館の果たす役割に期待を示した。
大会は地域に根差した公民館活動の充実と発展を図るのが目的。
宮城教授は県内で石垣市は人口が増えていることにも触れ、「ものすごいチャンス。よそ者や若者をどう共同体に取り込むかを考えないといけない」と指摘。
その上で「伝統とは根本の精神を引き継いでやり方を新しくしていくもの。同じことを強制するものではない。移住者をうまく活用し、価値観の違いについてもじっくり話し合うことが大切」などとアドバイスした。
登野城公民館(字会)の上地和雄副館長(副会長)と新川公民館(字会)の入嵩西正治前館長(会長)は実践内容を発表。
上地氏は昨年9〜12月の公民館学級で食生活の移り変わりや村内の御嶽と巨木の観察などを行ってきたことを紹介し、「地域住民の絆が強まることが思量される」と強調。
また、「石垣市の行事は9〜12月に集中しており、台風もある。生涯学習の方策(行事やイベント)を年間にわたって実施できれば参加人員も増えると思われる」と提起した。